2013年09月27日 10:00
就任当初、JALで私が感じた違和感は、本社の経営企画というところがどうも中枢で、ここであらゆる企画がなされ、さまざまな指示が出てくるということでした。経営企画にいた人たちが、過去にいた人たちも含めて全組織にいるわけです。
その人たちは、エリート集団を形成していて、非常に頭がよい。よい学校を出て、JALのなかでもエリートコースを歩んできた人たちでした。非常に丁寧な言葉遣いではあるが、まさに慇懃無礼というか、内心はそうではないということが、顔にも態度にも全部出ているわけです。そして、どちらかというと冷たい。理論ばかり、理屈ばかりです。そんなことで、3万人からの従業員を任せるわけにはいかない、そう感じました。
『JAL再生 高収益企業への転換』 p146より引用
したがって、本社スタッフの仕事は三つに限定すべきである。その第一は、おそらく最も重要かつ貢献の大きな仕事として、現業の経営管理者がサービス機能に携わる専門家に期待できることが何かを明らかにすることである。第二に、現業の経営管理者が選んだサービス機能の専門家を訓練することである。第三に、調査することである。
本社スタッフは、いかなる場合にもマネジメント上の責任をもってはならない。また経営管理者に採用させるためのプログラムを作ってはならない。現業の経営管理者に売り込んだプログラムの数で本社スタッフを評価してはならない。ひと言でいうならば、本社スタッフは、現業の経営管理者のためのサービススタッフではなく、トップマネジメントのための助手である。
『現代の経営(下)』 p79-80より引用