燃える闘魂
灯火親しむの候、みなさまいかがお過ごしでございましょうか。
日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。
「燃える闘魂」といえば、アントニオ猪木さんのことを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。実際、インターネットで「燃える闘魂」を検索すると、猪木さんの記事ばかりがあがってきます。
書店で『燃える闘魂』という背表紙をみたとき、プロレスの本だろう、と思ってしまいました。
よく見ると、その著者は稲盛和夫さんでした。
帯には「最強経営者の魂に触れよ!」と書かれています。稲盛さんこそがビジネス社会における「燃える闘魂」の人なのです。
稲盛さんは、バブル崩壊後、日本の企業が業績低迷を続けてきた理由は、外部環境のせいではない、といいます。
現在の日本経済、日本の社会にとって、何が一番足りないのか。それは、不撓不屈の心である。何があろうとも、どんな障害があろうとも、それを乗り越えていくという強い意志、勇気、気概が、日本企業のリーダーに欠けていたことが、現在の停滞感、閉塞感漂う日本の経済社会をもたらした真因ではないか。
『燃える闘魂』 p20より引用
不撓不屈という言葉を久しぶりに目にしました。中小企業の経営者の中には、挑戦することなく、いまのまま波風を立てないように経営をする人も多いです。
長い低迷を経て、日本経済にもようやく景気回復への曙光が見えはじめてきた。いまこそ、日本の企業が再び成長発展を遂げる絶好の機会である。いまの日本には、十分な資金も、優れた技術も、真摯な人材もある。足りないのは「燃える闘魂」、すなわち「なにくそ、負けるものか」という強い思いだけである。
『燃える闘魂』 p21より引用
81歳の稲盛さんから「燃える闘魂」と教えられて「自分には欠けていたことだなあ」と思い、恥ずかしくなりました。
私が81歳まで元気でいられたとして、そのとき、若者に向かってこんなに力強い言葉を投げかけられるかどうか?です。
私は『燃える闘魂』を拝読して「人生に、仕事に、年齢は関係ないな・・・・・・」と感じました。
闘魂を燃やして生き生きとしていられるためには、過去を思い出すことでも、未来を夢見ることでもなく、いま力を全開にしてどれだけ元気に生きられるかどうかだ、と思いました。
末筆となりますが、みなさまがたのご多幸、ご健勝を心よりお祈りいたします。
今月もどうぞよろしくお願いいたします。
参考文献:『燃える闘魂』 稲盛和夫 (毎日新聞社)
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