組織の中の人たちの生き方
昨日は成毛眞さんのご著書『40歳を過ぎたら、三日坊主でいい。』を紹介いたしました。
参考ブログ:『40歳を過ぎたら、三日坊主でいい。』
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e1311281.html
この本は、大企業に勤める40歳以降の会社員の方に、ビジネス社会で力を抜きながら生きる方法を提案したものでした。
零細な企業の責任者の立場にある私にはなかなか理解できない部分もあったのですが、かといって、私はうちの社員たちに「会社人間になれ」というつもりはありません。いうまでもなく、会社だけが人生ではありません。バランスよく実りある人生を送ってほしいと思っています。
P.F.ドラッカーの『現代の経営[下]』より引用いたします。
今日、大企業や巨大企業は経営管理者に対し、会社を生活の中心に据えることを期待しすぎている。しかし実は、仕事オンリーの人間は視野が狭くなる。仕事オンリーでは、組織だけが人生であるために組織にしがみつく。空虚な世界へ移るという恐ろしい退職の日を延ばすために、若い人たちの成長の妨げになってでも自らを不可欠な存在にしようとする。
『現代の経営(下)』 p72より引用
実は『現代の経営』は昭和29年に発行されているのです。
私には現在の大企業の状況はよく分かりませんが、大企業がこんな状態であるのなら、成毛さんのご指摘も否定できない部分があるのかもしれません。
いまや企業は、従業員を会社人間にしておくことが、本人のためにも企業のためにも危険なことであり、いつまでも乳離れできなくさせるおそれのあることを認識すべきである。
『現代の経営(下)』 p73より引用
中小企業においては、こういう状態になってしまう可能性が高いのが「社長」です。
一般的には仕事熱心な社長だ、と言われますが、実は成果を内(自分のため)に求めてしまっているから、ということもあるのではないでしょうか。仕事を趣味にして好き勝手に行動されては、企業としては大変迷惑です。
そうしたいのなら、企業ではなく、家業、生業のままであるべきなのです。
昨日ブログに書いたことと矛盾はしていないと思いますが、自分が年をとってきたら、会社にしがみついていることが本当に外部に成果をあげるためなのかどうか、問う覚悟をしておかねばなりません。
参考文献:
『現代の経営[上]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
『現代の経営[下]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
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