生産性の向上
残暑お見舞い申し上げます。
みなさまいかがお過ごしでございましょうか。日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。
参院選も、お祭りも終わり、にぎやかだった街にもすこし落ち着きが戻ってきました。
選挙では、アベノミクス、なかんずくリフレ政策の是非について多くの議論がなされていました。
この政策がいいか悪いかという問題は抜きにして、もしもインフレ目標が達成され、緩やかなインフレ状態になったとしても、それは経済の話です。インフレは企業の経営を変えてくれるものではありません。
緩やかなインフレ状態が実現すれば、企業にはいくつかのよい効果が考えられますが、望む経済環境の実現を待っているだけではあまりにも無責任です。
経済がよくなるように政治に期待をしておりますが、その前に会社にはやるべきことが山積しています。
ドラッカーはその著書『ポスト資本主義社会』において、生産性について次のように述べています。
先進国は、知識労働者とサービス労働者の生産性を向上させないかぎり、しかも急速に向上させないかぎり、経済の沈滞と社会の緊張に直面する。人は、生産性に基づいて支払いを受ける。生産性が給与の源泉たる富を創出する。生産性が向上しないことには、実質所得の増大は望むべくもない。
『ポスト資本主義社会』 p106より引用
日本の製造業にとって生産性の向上はお家芸のようなものですが、これだけ優れた成果を残してきても終わりはなく、依然として大変な努力が重ねられています。
それに比べると、知識労働者、サービス労働者の生産性は、いまだに解明されていない面も多く、これからまだ大きく伸びる余地があるのではないかと思います。
ドラッカーが述べているように、実質所得を増大させるのは、インフレを待つことではなく、生産性の向上を図ることです。
もちろん、お客さまに十分にご満足して頂いた上で、という大前提があります。当社としてもますます厳しく取り組んでいかねばならない課題です。
末筆となりますが、みなさまのご繁栄を心よりお祈りいたします。今月もどうぞよろしくお願い申し上げます。
参考文献:『ポスト資本主義社会』
P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
参考ブログ:「サービス労働の生産性向上」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e735771.html
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