目標の実現よりも目標の設定
P.F.ドラッカーの『現代の経営[下]』より引用いたします。
企業が成長すると、トップマネジメントの仕事は新しい時間的次元に移行する。すなわち、事業が大きくなるほど長い将来を考えて行動しなければならなくなる。また、目標の設定と、その遂行のための活動の仕事量の割合も変わる。事業が大きくなれば、目標の実現のための段階よりも、目標の設定そのものにより多くの関心を向けなければならない。
『現代の経営(下)』 p86より引用
企業の規模や成長段階により、トップマネジメントの仕事が変わるのは当然のことでしょう。
社長は何もしていないように見えるのでときに揶揄されることがありますが、現場の作業をしていないというだけで、トップマネジメントとしてすべきもっと大切なことをされているのです。
「○○社長は遊んでばかりで、何もしていない」と噂をしている方がおられるとしたら、その方は企業の経営を分かっておられないからそう言うのだ、と思った方がいいです。
先日、久しぶりにお会いした知人から私の経営について批判を受けましたが、その方はこちらのことが見えていないからそうおっしゃるのだろう、と気が付きました。
私とは大切にしていることが違うわけです。
企業が成長することを否定するつもりは全くありませんが、いずれの企業にとっても、規模を拡大することが目的ではないはずです。
企業にはそれぞれの目的、目標があるのですから、周りからあおられることなく、自分で責任をもってそれぞれの道を歩んでいけばいい、と思っています。
参考文献:
『現代の経営[上]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
『現代の経営[下]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
関連記事