従弟のポール
P.F.ドラッカーの『現代の経営[下]』より引用いたします。
6月4日のブログ「挑戦と仕事の機会」の続きの部分です。
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e1277802.html
小企業、中企業に典型的なもう一つの問題は、多くの場合、同族であることに由来する。同族企業では、上席のマネジメントの地位はしばしば同族によって占められる。
もちろん能力のない者に地位を与えるという、堕落した慣行が発生しなければ問題はない。しかし同族企業では、「従弟のポールを食べさせなければならない。だからわが社で働かそう」という論理がまかり通る。これは大きな間違いである。ポールはもらった仕事で成果は出せない。さらに悪いことには、一族以外の有能で意欲ある人がやる気を失う。辞めてどこかへ行くか、辞めないまでも仕事をやめる。全力を尽くさず、無難な仕事しかしなくなる。
『現代の経営(下)』 p68より引用
これはどの同族企業にも起こりうる非常にデリケートな問題ではないか、と思います。
こういう話題があがったときに「あなたは子供がいないからそういうことを言えるんですよ。子供がいればそんな考え方は絶対にしません」と言われたことがあります。
そう言われますと、私にはぐうの音も出ません。
ただ、いまは「能力のない者に地位を与えるという堕落した慣行」はない、とはっきり言えます。
もしもそんなことをしたら、日夜一生懸命働いている社員、スタッフのみんなに申し訳ないと思う、その一心です。
「家業」と「企業」では大きな違いがあります。
私が思うのは、成果を内側に求めるか、成果を外側に求めるか、の違いです。
参考文献:
『現代の経営[上]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
『現代の経営[下]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
関連記事