知識は資産
ドラッカーの『ポスト資本主義社会』第3章より引用します。
確かに一国の製造業の基盤を維持強化し、その競争力を確保することには高い優先順位を与えるべきである。しかしそれは、物をつくったり運んだりする肉体労働力というものが、急速に資産ではなく負債となりつつあるという新しい現実を受け入れたうえでのことでなければならない。知識こそが、あらゆる種類の仕事において鍵となる資産である。
P.F.ドラッカー 『ポスト資本主義社会』 第3章 p93より引用
日本の製造業の強みは何でしょうか。
日本は大きなシステムを組むことも強いブランド力をもつこともあまり得意ではなく、技術のすり合わせが必要な中少量多品種の製品の分野において変化、進化のスピードで戦うことにおいて強いのだ、というお話をある勉強会でお聞きしました。(水島温夫さんの講演会)
もはや我が国は国内で量産品を生産し、規模や価格で戦っていくことはできないという現実があります。また、PCのOSやカード決済システムなど何かの分野で世界を制覇するようなシステムももっていません。
工夫しながら変化、進化のスピードで戦うということはとても苦労なことですが、ここに日本の強みがあるというわけです。
知識を資産として戦なわなくてはならないことに間違いはありません。
これはマクロのレベルでは理解しやすいことですが、個人でも同じではないでしょうか。
つまり、個人においても、真摯に取り組むという域は前提条件として、そのうえで知識を共有し活用するという段階に上がらなければならないということです。いずれの業種のいずれの仕事においてもです。
経営者としてはそのような環境をつくらねばなりません。例えば過去の成功や失敗の事例を社内で共有し新しい形に高められるような仕組みづくりです。常に意識しておきたいことです。
参考文献:
『ポスト資本主義社会』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
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