決定を実施に移す
ドラッカーの『経営者の条件』の第6章より引用します。
決定のプロセスで最も時間がかかるのは、決定そのものではなく決定を実施に移す段階である。決定は実務レベルに下さないかぎり決定とはいえず、よき意図にすぎない。このことは、決定そのものが基本の理解に関わるものであるのに対し、その実施は可能なかぎり実務レベルに近いところに位置づけなければならないことを意味する。
P.F.ドラッカー 『経営者の条件』 第6章p155より引用
会議では決定したことなのに、実行がされていなかった・・・・・・よく聞く話です。
ドラッカーは「決定は実務に下さないかぎり決定とはいえず、よき意図にすぎない」と述べています。
実施されない決定は、ただの「よき意図」になってしまうのです。
決定がなぜ実施されないのかを考えてみると、第一に実施するための手順が決まっていない、第二に実施しているかどうかをチェックしていない、の二つではないでしょうか。
会議での決定事項については、誰がどのような手順でいつ実施するのかを決め、それを誰が監督するのか、あるいはだれがチェックをするのかを決めなくてはなりません。できればその場で決めるほうがいいですが、時間がない場合は責任者だけも決めておいた方がよいです。
その場で決めなかった場合、責任者は会議終了後、決めた手順を会議参加者に周知せねばなりません。
「会議で決まったことだ」と簡単にいう人がいますが、さように細かく設定をしないと、なかなか確実な実施までには至らないのではないかと思います。
参考文献:
『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
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