組織の成果

Hitoshi Yonezu

2013年03月25日 10:00

 ドラッカーの『ポスト資本主義社会』 第2章より引用いたします。

 組織の成果は、常に組織の外部にある。社会やコミュニティや家族は自己完結的であって、自らのために存在する。これに対し組織は、外部に成果を生み出すために存在する。

      P.F.ドラッカー 『ポスト資本主義社会』 第2章 p73より引用


 ドラッカーの著書には「成果」という言葉がたびたび出てきます。成果は組織が生み出すものです。そして成果は組織の外部にしかありません。

 『経営者の条件』第3章より引用します。
 
 貢献に焦点を合わせることによって、自らの狭い専門やスキルや部門ではなく、組織全体の成果に注意を向けるようになる。成果が存在する唯一の場所である外の世界に注意を向ける。

      P.F.ドラッカー 『経営者の条件』 第3章 p79より引用


 組織に属する個人は、組織に貢献します。そうすることによって、組織は組織の外部にある成果を生み出すことができるのです。

 病院の成果は治癒して帰宅する患者であり、学校の成果は学んだことを人生で使えるようになる学生であり、軍の成果は戦争の抑止と戦争の勝利である、とドラッカーは例示しています。(『ポスト資本主義社会』p74)

 外部に成果を生まない組織は存在が危うくなります。

  


 参考文献:
 『ポスト資本主義社会』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)


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