どのくらい時間が必要か
ドラッカーの『経営者の条件』第2章より引用します。
人のために時間を数分使うことはまったく非生産的である。何かを伝えるにはまとまった時間が必要である。方向づけや計画や仕事の仕方について一五分で話せると思っている者は、単にそう思い込んでいるだけである。肝心なことをわからせ何かを変えたいのであれば一時間はかかる。何らかの人間関係を築くには、はるかに多くの時間を必要とする。
P.F.ドラッカー『経営者の条件』 第2章 p51より引用
部下に対して、気になることを伝えたいとき、注意をしたいとき、何か重要なことを早く伝えたいとき、部屋の隅の方に呼んで、立ち話をすることがあります。
いまこの場で言っておかないと、タイミングを逸してしまう、少しでも早く言っておきたい、という気持ちがそうさせるのです。
このちょっとした接触は無意味ではない、と私は思っています。
しかし、本当にわからせるためには、ドラッカーの述べているように、まとまった時間が必要なのです。
一時間以上のまとまった時間をとって話しても、まだ理解しあえない場合もあります。
その場合は再び三度まとまった時間をとることになります。
知識労働者との関係では特に時間が必要である。上司と部下との間に権力や権威が障壁として存在しないためか、あるいは逆に障害として存在するためか、それとも自意識のためか、理由はともあれ知識労働者は上司や同僚に多くの時間を要求する。
P.F.ドラッカー『経営者の条件』 第2章 p51より引用
マネジメントをしているもの、部下のいるもの、仕事を改善しようとしているものなどはすべて知識労働者でありえます。
経営するもの、マネジメントするものには、部下や同僚に多くの時間を割くことが求められています。
これを省略することはできません。
参考文献:
『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
”The Effective Executive” P.F.Drucker (Harper Business)
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