体系的な作業
ドラッカーの『経営者の条件』第1章より引用します。
頭のよい者がしばしばあきれるほど成果をあげられない。彼らは頭のよさがそのまま成果に結びつくわけではないことを知らない。頭のよさが成果に結びつくのは体系的な作業を通じてのみであることを知らない。逆に、あらゆる組織に成果をあげる地道な人たちがいる。頭のよい者がしばしば創造性と混同する熱気と繁忙の中で駆け回っている間に、寓話の亀のように一歩一歩進み先に目標に達する。
P.F.ドラッカー『経営者の条件』第1章p18より引用
情報はありあまるほど存在し、頭のよい方もたくさんおられますが、そういう状況であっても、成果をあげていくのはなかなか難しいのが現実です。
ドラッカーは、体系的な作業のみが成果に結びつく、といっています。
「体系的な作業を通じてのみ」の部分は原文では"only through hard systematic wok" となっています。
この部分では「体系的な作業」についての具体的な説明はありません。
『経営者の条件』では成果をあげるための習慣的な能力、すなわち、時間、貢献、強み、集中、意思決定の五つについて解説されています。
これらの能力を理解し、身につけ、実践することこそが「体系的な作業」ではないかと考えます。
参考文献:
『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
”The Effective Executive” P.F.Drucker (Harper Business)
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