顧客は満足を買う
浅沼宏和さんのご著書『世界一やさしいドラッカーの教科書』155pより引用いたします。
顧客は商品やサービスを買っているわけではなく「満足」を買っています。
ところが会社のほうでは商品やサービスを売っているつもりになっています。
商品やサービスは「満足」してもらうための手段なのです。
満足そのものを売ることができないので、代わりに商品やサービスを売っていることを忘れてはいけないのです。
『世界一やさしいドラッカーの教科書』155pより引用
昔の料理屋さんには気に入らないお客さんがいると「おれの味がわからないのか!」と怒る料理人さんがいたそうです。
いまでも似たようなことはあります。私はお客さまのそばの食べ方にケチをつけている料理人の姿を実際に見たことがあります。
少し状況は違うかもしれませんが、お客として初めて訪ねた居酒屋で私の素性が分かるとご主人から「おたくの出しているものは料理とは呼ばないよ」と面と向かって言われたこともあります。
そんな方がいる飲食店にいったら、楽しむどころか落ち着くこともできません。満足なんてほど遠い話です。
いずれも、おいしいものを出していればいいだろうという料理人の驕りからきているものでしょう。
どんなに美しくおいしい料理をつくる方でも、尊敬できない態度をとるのなら、私は遠慮します。みなさまもそういう方におもねるのはやめた方がいいと思います。
お客さまがわざわざお店に出向いてお料理を食べてくださるのは、料理という商品を通して、楽しんでいただいたり、思い出にしていただいたり、癒された気分になったりしたいからです。
ただの料理でいいのなら、スーパーで買ったものを家でご自分で調理して食べるはずです。
お客さまにご満足して頂くということ、プロとして決して外してはならないことだと自戒しております。
参考文献:『世界一やさしいドラッカーの教科書』 浅沼宏和 (ぱる出版)
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