「私は」ではなく「われわれは」

Hitoshi Yonezu

2012年10月05日 10:00

 ドラッカーの『経営者の条件』序章14pより引用します。

 もう一つ身につけるべき習慣が、「私は」とはいわずに、「われわれは」と考え、「われわれは」ということである。
 最終責任は自らにあることを知らなければならない。最終責任とは、誰とも分担できず、誰にも移譲できないものである。トップが権威をもちうるのは、自らのニーズと機会ではなく、組織のニーズと機会を考えるからである。簡単なことのように聞こえるがそうではない。しかも厳格に守らなければならない。

               P.F.ドラッカー『経営者の条件』より引用


 トップは「われわれは」といって組織全体の責任をとります。自分だけの責任をとるだけではすまされません。

 組織の中には「私は」といって私だけの責任をとればいいと考える人もいます。

 そういう人は「自分はそういう立場にいるからいいんだよ~」と思っていますし、それで問題も起こらないでしょうから、しばらくはそのままで無事に過ごせると思います。
 
 ただ、将来にわたって成長はないでしょう。環境の変化についていけなくなるでしょう。

 どんな立場にいようとも、自分の意志で責任の範囲を広げることができます。

 いつも組織全体のことを考えて、使命感をもって動いてくれる人は徐々に信頼が上がっていきます。

 組織における居場所が広がっていきます。

 トップはその人のためになることをもっとしてあげよう、と思うようになります。

  


 参考文献:
 『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
 


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