社会の奴雁たれ
昨日は母校の長野県地区の同窓会が松本市で開催されました。
来賓としてお越しくださった清家篤塾長が御講演をされ、その中で福澤諭吉先生の言葉として「学者は社会の奴雁たれ」という言葉をご紹介くださいました。
奴雁とは「どがん」と読み、休んだり餌をついばんだりしている雁の群れの中で、首を持ち上げて人や獣の接近を見張っている雁のことをいうのだそうです。雁奴(がんど)とも言うそうです。いずれにしても辞書には出ておらずあまり使われていない言葉です。
しばらく忘れられていた言葉だそうですが、日銀の前川元総裁がなにかの機会に取り上げられ、また知られるようになったのだそうです。
「いったい何をやっているのだろう?」と周りから思われても、将来のために真理を追究していく、それが学者の役割であり、慶応義塾の役割の一つである、というわけです。
組織において、全員が足元ばかりをみつめて、今日明日の成果ばかりを求めていたら、方向感覚がおかしくなってしまいます。
首を持ち上げて周りの様子に気を配り、向かうべき方向を指し示す人、奴雁の役割をする人が必要なのだと思います。
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