させてもらえないこと
ドラッカーの『経営者の条件』第4章より引用します。
企業、政府機関、病院に働くエグゼクティブの多くは、自分にさせてもらえないことについてはよく知っている。彼らは、上司がさせてくれないことや、企業の方針がさせてくれないことや、政府がさせてくれないことについて気にしすぎる。その結果、彼らは、させてもらえないことについてこぼすことによって、自らの時間と強みを無駄にしている。
成果をあげるエグゼクティブも自らに対する制約条件は気にしている。しかし彼らは、してよいことで、かつ、する値打ちのあることを簡単に探してしまう。させてもらえないことに不満をいう代わりに、してよいことを次から次へと行う。その結果、同僚たちには重くのしかかっている制約が彼らの場合は消えてしまう。
P.F.ドラッカー『経営者の条件』より引用
「させてくれない」とか、「してよい」とか、駄々をこねる子供の話をしているかのようですね。
私は、小さいですが組織のトップですので、すべてのことは最終的には自分で決めています。
するかしないかも、させるかさせないかも、自分の責任ですので 「させてくれない」ことに悩むことは全くないです。
昔は自分も上司に対してそんなことを考えていたかなあ、と思い出してみました。
今の会社に入ってからは上司は親でしたので「させてもらえないこと」の中で自分が「しなくてはならない」と思ったことは無理をしながら進めてきました。
上司が親でなければ首になっていたかもしれません。
親としてはせっかく入れた息子にやめられては困ると思ったのでしょう、ある程度は許したのではないかと思います。
オーナー系中小企業の経営者には多かれ少なかれそういうことがあるのではないかと考えます。
一般的には他人が上司ですから、また違った苦労があるでしょう。
理解されないときに「こんな会社やめちゃおう!」と思うこともあるのではないでしょうか。
そういうときには「してよいこと」を探してそこに集中するしかないですね。気持ちを切り替えることができたら、新しい成果が生まれるかもしれません。
参考文献:
『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
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