すべて説明されているか
ドラッカーの『経営者の条件』第6章より引用します。
もちろん意思決定を行なう者は、常に非定形的なこと、異常なことが起こっていないかを調べなければならない。そのためには「観察されるものは正しく説明されているか、すべて説明されているか」を問わなければならない。
解決策がもたらすべきだったもの、例えば自動車事故の減少について書き留めておき、本当にそれが実現されているのかを定期的に確認しなければならない。そして最後に、非定形的なこと、説明できないこと、たとえ小さくとも思わぬ事態が起こっているときには、再び元に戻って問題を検討し直さなければならない。
P.F.ドラッカー『経営者の条件』より引用
会社に起こる問題のほとんどは定型的なことです。定型的な問題を繰り返しているのが現実です。
もしも非定型的な問題が頻繁に発生していたら、会社は大混乱になります。非定型的なことはできる限り排除する決意です。
定型的な問題については、そこでいちいち判断をするのではなく、定型的に解決する、または定型的に防ぐ方法、手段をもっていなければならないのだと思います。
非定型的な問題は解決方法が定まっていませんし、緊急で重大な問題の場合もありますから、普段から意思決定者がそのような問題を意識し、もしも発生してしまったら問題の構造を調べる必要があります。
ドラッカーが述べている「観察されるものは正しく説明されているか、すべて説明されているか」というところだと思います。
非定型的な問題の構造が把握できたら、それを解決する、または発生を防ぐ定型的な方法、手段を確立すべきだと思います。
そういうものが確立すると、非定型的な問題は、定型的な問題に変わっていくのだと思います。
参考文献:
『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
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