適材適所と適所適材

2018年11月01日

 朝夕の寒気が身にしみる季節となりました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。

 さて、経営において、人事の問題が尽きることはありません。当社では社員もパートナーも本当によく働いていますが、評価、採用、異動、倫理の問題など、次から次へと問題は発生します。人事は会社経営において最も大きな問題の一つです。ドラッカーは次のように述べています。

 人事の決定が時間をとるのは、神は、人を組織のための資源として創造したわけではないという単純な理由による。人は、組織においてなすべき仕事に適した大きさや形では現れてくれない。仕事に適するように組み立て直したり鋳直したりすることはできない。
 人は常に、仕事に関してせいぜい及第点であるにすぎない。したがって、ほかに代えるべき資源が存在せず、人を使って仕事をせざるをえないときには、多くの時間と思索と判断が必要となる。

                      『経営者の条件』 p55


 組織をつくってビジネスを行うようになったのは、人類の歴史から見たら最後のほんの一瞬です。人はやはり人であって、組織のために人がいるのだ、と考えてしまったら経営者の傲慢です。自分で自分を変えようとしてもなかなか変わることができないのに、組織の思うように人を変えるなどということは、夢のまた夢です。この組織と人の不適合が人事を難しくしているのだと思います。

 しかし、だからといって、その人に合うように仕事内容を変えてしまっては成果が上がりません。それではその人の能力までしか仕事はできないということになり、お客さまのお役に立つことはできないでしょう。凡人をして非凡な成果を上げるのがマネジメントです。マネジメントにおいては、仕事の設計が先で、その仕事がうまくできるように人を教育し、訓練していくことになります。その意味では、適材に適所を提供する「適材適所」ではなく、適所に適材を担当させ教育・訓練していく「適所適材」のほうが正しいのではないかと思います。

 日々悩みながら経営しております。いつもご利用ありがとうございます。今月もよろしくお願いいたします。
 
 参考文献:
 『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
 

  

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