マネジメントの適性

2018年09月03日

 秋風が心地よい季節となりました。

 日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。

 さて、最近ではマネジメント思考が広まったせいか、仕組みづくりという言葉をよく聞くようになりました。仕組みづくりさえすれば、社長が留守にしても会社はうまく回っていく・・・というような話です。
 
 仕組みで動いている大企業をみてそのような話が出てくるのだと思いますが、仕組みづくりに巨額の投資をしている点、能力が高い社員がたくさんいる点、において中小企業と違いがあります。仕組みだけで会社がうまくいくという論理は、経営者にとっては聞こえが良いですが、全体のうちの一部しか見ていないと思います。

 ドラッカーは、仕組みづくりよりも重要な前提条件を指摘しています。

 いかなる仕組みをつくろうとも、マネジメントへの昇格人事で日頃いっていることを反映させなければ、優れた組織の文化をつくることはできない。本気であることを示す決定打は、人事において、断固、人格的な真摯さを評価することである。なぜならば、リーダーシップが発揮されるのは、人格においてだからである。多くの人の模範となり、まねされるのも人格においてだからである。
 真摯さは習得できない。仕事についたときにもっていなければ、あとで身につけることはできない。真摯さはごまかしがきかない。一緒に働けば、特に部下にはその者が真摯であるかどうかは数週間でわかる。部下たちは、無能、無知、頼りなさ、不作法などほとんどのことは許す。しかし真摯さの欠如だけは許さない。そして、そのような者を選ぶマネジメントを許さない。

            P.F.ドラッカー 『現代の経営[上]』 p218


 マネジメント(経営者)としては、手っ取り早く仕事ができる人を選びたいところですが、そこはよく考えて、人格的な真摯さをじっくりと見つめなくてはなりません。数週間とはいかなくても、いつかは分かってしまうことです。

 知識がなく、仕事もたいしたことがなく、判断力や能力が不足していても、害をもたらさないことはある。しかし真摯さに欠ける者は、いかに知識があり、才気があり、仕事ができようとも、組織を腐敗させる。企業にとって最も価値ある資産たる人材を台無しにする。組織の文化を破壊する。業績を低下させる。

           P.F.ドラッカー 『現代の経営[上]』 p219


 マネジメントの適性を見誤ることは会社の崩壊につながります。当社ではリーダーシップを発揮できる社員を育てることが急務です。そのために組織の文化を醸成してまいります。

 いつもご利用ありがとうございます。今月もどうぞよろしくお願いいたします

  


 参考文献:
 『現代の経営[上]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
 

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